豆知識
病気の時に入れる塩の効果について
コリドラスに限らず熱帯魚が病気になったときなどに,「塩」を入れることが多いですが,実際にはどのような効果があるのでしょう?
ここでは私が知っていることを書いてみました,間違っていたり補足などが有りましたらご連絡ください.

1.新陳代謝の活性化
熱帯魚の体液は約0.5%の塩分濃度を持っていますが,一方淡水(水槽の水)にはほとんど塩分が無いのでそのままだ魚の鱗などにある半透膜から浸透圧によって真水が入ってきて体液が薄まってしまいます.熱帯魚は入ってきた水を腎臓で尿として排出することにより体液の濃度を調節しており,また水中のミネラル分などを熱帯魚のエラにある塩類細胞というところから血液に吸収したり,腎臓などで再吸収したりして体液の薄まることを防いでいます.
水槽に塩を入れることによって塩分濃度の調整(浸透圧の調整)を行い,熱帯魚の新陳代謝を活性化しますし,肝機能の維持にも塩分は必要です.

2.ミネラルの補給
さまざまな元素の不足が熱帯魚の状態を悪化させる原因にもなりますが,塩(特に天然の塩)には熱帯魚の新陳代謝に欠かせないさまざまなミネラル(ナトリウム,塩素,カリウム,リン,カルシウム,マグネシウム,硫黄,ヨウ素などなど)が含まれており,熱帯魚が前述のさまざまなミネラル分を取ることで状態が改善されることもあります.
また,水槽に塩を入れることにより浸透圧の差が少なくなると,塩(ミネラル類も含む)を摂取するエネルギーが少なくてすみ,熱帯魚の負担も少なくなります.

3.エラ呼吸の促進
水槽に塩を入れることによる熱帯魚のエラ細胞の活性化で呼吸機能を促進し,熱帯魚への負担を軽くすることが期待できます.

4.潰瘍部組織の維持
塩を入れることにより熱帯魚と水槽の水の浸透圧の差を減少させて,熱帯魚の潰瘍部組織の受けるダメージを軽減することができ,また潰瘍部を長期間維持できるので,その間に治療などの対処を行うことが可能になります.

5.微生物への影響
微生物の種類によっては水槽の水に塩を溶かすことにより微生物の外側の塩分濃度が上昇し,結果として細胞の内側から外へ水分が出て行ってしまいその結果微生物は死んでしまうことがあります.
※実際に白点虫のような原虫の場合,原因生物を殺す効果はほとんどないようで,増殖を抑える程度のようだか,増殖が抑えられると言うことは魚の持つ抵抗力だけで回復できるチャンスがあるということで無駄な事ではない.

6.細菌類には?
熱帯魚が耐えられないほどの量(10%以上の濃度)を入れることにより,塩の浸透圧で脱水されて死んだり繁殖が押さえられたりしますが,市販の薬のように根絶させることはできないようです.

7.入れる量は?
治療を目的とした場合1.0%程度の濃度を限度に魚の様子を見ながら調整するのがいいでしょう.
入れる時は,いきなりではなく熱帯魚がショック症状を起こしたりストレスがかからないように,数回に分けて時間をかけながら徐々に入れます.(2-3日)
入れている際に熱帯魚に異常が起きた場合は水槽の塩分濃度を薄め,魚の状態を見ながらもっと少しずつ入れます.
(30-60分を限度とし別の容器などで2.0%の濃度で短時間の塩浴治療を行うこともありますが,前述の時間をかけて行なう方法に比べて効果が少ないかと思います.この場合も魚の状態には十分に注意をする必要が有ります.)
塩分濃度を元に戻す場合も,熱帯魚がショック症状を起こしたりストレスがかからないように,時間のかけて戻します.
なお,魚が小さい場合は少な目に入れます.
※入れる塩の量や方法は熱帯魚の状態や経験で作業することも多く,上記の量や方法が正解と言うことはありません.
※作業された結果に責任は取れません.ご自身の判断で行ってください.
※水1リットルにつき5グラムの塩で0.5%の濃度です.
※水1リットルにつき10グラムの塩で1%の濃度です.

8.入れる塩の種類は?
いろいろな塩が販売されていますが,粗塩(加熱処理済みのもの)を使っている人が多いようyです.
塩の種類などは,塩の情報室(http://www.siojoho.com/)をご覧ください.

まとめ
上記のように,塩を使うことは,魚の新陳代謝を活性化させ,ミネラル分を補給し,魚への負担を減らすなどの効果があると思われます.
それが魚の自己回復の手助けになっているのではないでしょうか.


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